ROVE LS Shirts|暑い日でも、長袖を持つ理由
ROVE LS Shirtsは、MOUNTDOORとして作ってきたシャツの中でも、かなり「日常」に寄せた一枚です。
山で使えること。
街で浮かないこと。
仕事や移動の時間にも、そのまま着られること。
この3つのあいだを探しながら作りました。
長袖シャツというと、どうしても「涼しい季節に着るもの」という印象があります。実際、真夏の日中にずっと長袖を着続けるのは少し重い。気温が上がってくると、半袖で過ごしたくなるのは自然です。
ただ、毎日の中には半袖だけでは少し足りない場面があります。
朝晩の移動。
雨前の少し冷える空気。
冷房の効いた室内。
山の上で風が変わる時間。
日差しを直接受け続けたくない時。
そういう時に、Tシャツの上からさっと羽織れて、暑ければ脱げる。シャツとして着ても、軽い羽織りとしても使える。ROVE LS Shirtsは、そんな温度差のある日常に置いておけるシャツを目指しました。
生地について
ROVE LS Shirtsに使っているのは、ポリエステル系の二重織ストレッチ生地です。
手に取ると、少し硬めです。
薄くてペラっとしたシャツ生地ではなく、どちらかというとコシとハリがあります。体のラインを拾いすぎず、着た時に形がきれいに出る。ここは、この生地を選んだ大きな理由のひとつです。
ただ、硬めの生地と聞くと、暑そう、肌に張りつきそう、動きづらそう、という印象を持たれるかもしれません。
実際に着ると、そこが少し不思議です。
しっかりしているのに、肌離れがいい
内側に凹凸感があり、肌への接地面がべったりしにくい。Tシャツの上に羽織った時も、肌に直接当たる場面でも、生地がぴたっと張りつく感じが少ない。風が抜けると、見た目のしっかり感から想像するより軽く感じます。
しっかりしているのに、重たくない。
ハリがあるのに、意外と快適。
この少し矛盾した感覚が、ROVEの生地らしさだと思います。
MOUNTDOORでは、アウトドア専用の高機能ウェアだけを作りたいわけではありません。もちろん山で使いやすいことは大事ですが、それ以上に、日常の中で自然に手に取れることを大切にしています。
山へ行く日だけの服ではなく、山へ行かない日にも着られること。
逆に、普段着として着ていた服のまま、少しだけ外へ向かえること。
ROVE LS Shirtsは、その境目に置くためのシャツです。
首まわりと襟
シャツを作る時に、個人的にずっと気になっていたのが首まわりです。
首が詰まると暑く感じる。
ネック寸法が合わないと、結局着なくなる。
きちんと見えるけど、窮屈だと日常では使いづらい。
ROVEでは、首まわりを少しラクに設計しています。きっちりと締めるためのシャツではなく、Tシャツの上に自然に羽織れるように。前を閉じても、どこか抜けが残るように。
寝かせても、少し立てても使える襟
襟は寝かせても、少し立てても使えるバランスにしました。山では風を少し受け流したい時に、街では首元の見え方を整えたい時に、襟の表情で使い方を変えられます。
大げさなギミックではありません。
でも、日々の中ではこういう小さな調整が意外と効きます。
シャツとしても、軽い羽織りとしても
ROVE LS Shirtsには、胸ポケットと左右のサイドポケットを付けています。
見た目は普通のシャツに近いですが、着てみると軽いジャケットに近い感覚もあります。スマホや鍵を少し入れたい時、手ぶらに近い状態で外へ出たい時、腰まわりにポケットがあるだけで使い勝手は変わります。
山では、休憩中に羽織る。
街では、冷房の効いた店内で羽織る。
移動中は、バッグに入れておいて必要な時だけ出す。
シャツと羽織りのあいだ。
普段着と山道具のあいだ。
きちんと感とラフさのあいだ。
その中間を、できるだけ自然に使えるように整えました。
シルエットと動きやすさ
シルエットは、いわゆるドレスシャツほど長くなく、かといって短すぎない長さを狙っています。
Tシャツの上に羽織った時にバランスが取りやすく、パンツの種類も選びすぎない。裾にはスリットを入れて、動いた時の引っかかりを少なくしています。
目立つ機能より、気にならない使いやすさ
袖まわりは、日常の動作や軽い山歩きでもストレスが出にくいように。腕を上げる、バッグを背負う、ポケットに手を入れる。そういう普通の動きの中で、なるべく気にならないように作っています。
すごく目立つ仕様ではありません。
でも、毎日着るものは、目立つ機能よりも、気にならないことの方が大事だったりします。
暑い季節に長袖を持つ理由
この時期に長袖シャツを紹介するのは、少し難しさがあります。
日中は暑い。
半袖で過ごせる。
長袖はまだ早い、と思われるかもしれません。
ただ、山をもっと日常のそばに置こうとすると、服も「一日中同じ気温」を前提にしない方がいいと感じます。
朝は少し涼しい。
日中は暑い。
夕方は風が出る。
雨が近づくと空気が変わる。
山では標高や風で体感が変わる。
街へ戻ると冷房が強い場所もある。
その全部に専用ウェアを用意するのではなく、普段の服の延長で対応できる一枚があると便利です。
ROVE LS Shirtsは、暑い日にずっと着続ける長袖ではありません。
必要な時に羽織って、いらない時は脱ぐ。
その調整のためのシャツです。
仕様について
細かな仕様も、派手さより使いやすさを優先しています。
ボタンは着脱しやすいスナップ仕様。
袖口も状況に合わせて留め方を変えられるようにしています。
素材と重量
本体はポリエステル64%、複合繊維ポリエステル36%の表記で、ストレッチ、ウォッシャブル、撥水性を持つ素材です。重量はXSで約240g、Mで約275g程度。もちろんロットや縫製で多少変動はありますが、バッグに入れておいても極端に負担になる重さではありません。
撥水性について
弱撥水なので、多少の水濡れには対応します。ただし、レインウェアのように雨を受け続けるためのものではありません。あくまで日常の移動や、雨前後のちょっとした場面で助かるくらいの立ち位置です。
こういう線引きも、MOUNTDOORでは大事にしています。
山専用でも、街着専用でもない
MOUNTDOORのものづくりでは、山と街を分けすぎないことを大切にしています。
山へ行くために着替える。
街へ戻るためにまた着替える。
そういう切り替えももちろん良いのですが、もう少し生活に近いところで山とつながれる服があってもいい。
ROVE LS Shirtsは、強いアウトドア感を前に出したシャツではありません。
でも、山で使うことを諦めたシャツでもありません。
芝生に置いても、山で羽織っても、街へ戻っても違和感が少ない。
仕事の日にも、移動にも、軽い外遊びにも、そのまま馴染む。
そういう「ちょうどいい曖昧さ」を大事にしました。
最後に
ROVEという名前には、どこかへふらっと出ていくようなニュアンスがあります。
大きな旅ではなくてもいい。
遠い山でなくてもいい。
仕事の前後、家族との時間の合間、少し空いた午後、近くの公園や低山でもいい。
日常のすぐそばにある外へ、さっと出られること。
ROVE LS Shirtsは、そのためのシャツです。
しっかりした生地感。
肌離れの良い内側。
Tシャツの上に羽織れる使いやすさ。
街にも山にも馴染むシルエット。
山をもっと、日常のそばに。
MOUNTDOORらしい、そのあいだにある一枚になったと思います。

