YM Flow Pants Octa|Octaダブルクロスを秋冬パンツに選んだ理由

今回のYM Flow Pantsでは、秋冬向けの素材としてOctaを使用したダブルクロスを選びました。

求めたのは、さらに暖かいパンツではありません。

冬の屋外で必要な保温性を持ちながら、歩いて体温が上がったときには熱が抜けること。山だけでなく移動中や室内でも履き続けられること。そして機能素材でありながら、日常の服装に自然に馴染むことです。

これまでの経験を振り返り、今の自分たちの遊び方に必要な性能を考え直した結果がFlow Pants Octaです。

 

Flow Pantsの秋冬素材を見直した理由

秋冬モデルでは、過去2年間STORMFLEECEを使ってきました。2024はYM Warm Active Long Pants / 2025はYM Warm Flow Pantsとして。

ウール混で暖かく、耐風性/透湿性があり、ストレッチ性があり、また撥水性もあり冬のアクティビティで安心して使える素材です。使う人や環境によっては雪山でも使いやすく、生地として不足を感じていたわけではありません。

ただ、私自身の冬の過ごし方には少しだけオーバースペックに感じる場面がありました。

冬でも歩き始めれば身体は温まります。登りが続けば汗をかき、下山後に車へ乗ったり店へ入ったりすれば環境も変わります。

普段着としても使いやすいパンツでしたが、気温や行動量によっては少し暑く感じることもありました。

性能が高いほど、すべての人や場面に適しているとは限りません。

雪山で長く過ごす人には頼もしい暖かさでも、低山を歩き、そのまま街へ戻る人には少し暖かすぎる場合があります。

今回は性能を下げるのではなく、使う場面の幅を広げる方向へ素材を見直しました。

Octaの形状が今の遊び方に合っていた

Octaは中心に空洞があり、その周囲に8本の突起を持つ特殊な断面形状のポリエステル繊維です。

出展:帝人フロンティア社

 

この形状によって空気を含みやすく、軽さを保ちながら暖かさを作れます。一方で汗や湿気を移動させやすく、行動中に熱がこもりにくいことも特徴です。

今回Octaを選んだ理由は、この軽さと抜けのよさが今の自分たちのアウトドアに合っていたからです。

家を出た瞬間から山が始まるわけではありません。

車や電車で移動し、登山口から歩き、休憩を挟みながら山頂を目指す。下山後は食事をしたり買い物をしたり、そのまま日常へ戻っていきます。

一日の中で気温も運動量も大きく変わります。

そのすべてを一本のパンツで過ごすなら、止まっているときの暖かさだけでなく、動いているときに熱を逃がせることも大切です。

Octaは冬用のパンツに必要な暖かさを残しながら、動き続けるための軽さと熱の抜けを持っています。

より暖かくするのではなく、長い時間を快適に過ごせる温度感へ。

今回のFlow Pantsで目指した方向に合う素材でした。

 

ボトムスに使えるOctaダブルクロスとの出会い

最初からOctaを使うと決めていたわけではありません。

秋冬のボトムスに使える素材を探している中で、今回のOctaダブルクロスを紹介してもらいました。

実際に生地を見たとき、軽さや暖かさだけでなく、その表情が今回の企画に合うと感じました。

表面にはツイルを思わせる斜めの表情があります。

アウトドアウェアに多い光沢やスポーティーさが強くなく、チノパンツやスラックスに近い落ち着いた雰囲気です。

機能素材でありながら、街で履いたときに山のパンツであることを強く主張しません。

今季のFlow Pantsには、少しだけチノスラックスのようなカジュアルさを入れたいと考えていました。

シャツやニットにも合わせやすく、靴もトレイルシューズだけに限定しない。

日常の服装に自然に入る見え方を作りながら、山で必要な動きやすさも残す。そのバランスを作れる生地でした。

シワになりにくいことも選定理由の一つです。

長時間座る移動や旅行で使い、バッグに入れて持ち運ぶ。山から下りたあとも着替えずに過ごす。

そうした使い方を考えると、素材の機能だけでなく扱いやすさも重要になります。

 

タックとテーパードをきれいに見せる

Flow Pantsは腰回りにタックを入れ、裾へ向かって細くなるテーパードシルエットです。

腰や太ももには動くためのゆとりを持たせながら、立ったときには全体がすっきり見えるように設計しています。

この形にOctaダブルクロスを合わせることで、タックから生まれる立体感と裾へ流れるラインがきれいに見えるようになりました。

柔らかすぎる生地ではタックが沈み、硬すぎる生地では動きにくさが出ます。

今回の生地には適度なふくらみとハリがあり、身体の動きを妨げずにパンツの形を保ってくれます。

細身の登山パンツではなく、ただ太いだけのイージーパンツでもない。

動きやすさのために必要な量は確保しながら、普段着としてきれいに見えること。

Flow Pantsがもともと持っているタックとテーパードの形を、今回の生地がより分かりやすく見せてくれました。

日常で履くパンツのまま山へ

ほとんどの人にとって、山で過ごす時間より日常で過ごす時間の方が長いと思います。

だから山へ行く日だけクローゼットから取り出すパンツではなく、普段から自然に履けるパンツを作りたいと考えました。

仕事や買い物で履く。近所を歩くときに履く。旅行や車移動で使う。肌寒い日に何となく手に取り、その延長で山へ向かう。

いつものパンツで山へ行ければ、アウトドアはもう少し身近になります。

日常で使いやすくすることは、山で使うための機能を弱くすることではありません。

日常と山の間にある小さな障壁を減らし、自然へ向かうきっかけを増やすことだと考えています。

Flow Pants Octaは、山と街のどちらかを選ぶためのパンツではありません。

日常の中に山があり、山から帰ればまた日常が続く。

その一日の流れを着替えずに過ごすためのパンツです。

まとめ

過去2年間使ってきたSTORMFLEECEは、冬のアクティビティで頼れる高機能な素材でした。

今回Octaへ変更したのは、その性能に不満があったからではありません。

自分たちの遊び方と日常を改めて考えたとき、もう少し軽く、熱が抜けやすく、幅広い場面で履き続けられるパンツが必要だと感じたからです。

Octaが持つ軽さと暖かさ。行動中の熱や湿気を逃がしやすい構造。ツイルを思わせる落ち着いた表情とシワへの強さ。

そこへFlow Pantsのタックとテーパードシルエットを合わせました。

山で過ごす数時間だけではなく、その前後にある移動や食事、仕事や暮らしまで一本でつなぐ。

いつものパンツで、これまでより気軽に山へ向かう。

そんなFlow Pantsを作れたと思っています。リリースまでこうご期待。。。