なぜ1.5Lなのか。YM Fanny Packがこのサイズ、このつくりになった理由

2026年モデル YM Fanny Pack 3カラー

YM Fanny Packは、たくさん入るバッグではありません。

容量は約1.5L。
スマートフォン、財布、鍵、行動食、グラスケース、薄手のグローブ。

一日分の荷物を全部入れるには小さい。
けれど、歩いている途中で「すぐ取り出したいもの」を持つには十分な大きさです。

この1.5Lというサイズは、最初から「1.5Lのファニーパックを作ろう」と決めて生まれたものではありません。

YM Fanny Packには、その前にいくつかの形がありました。

最初は、バッグですらなかった。

原点となったのは「YM Fanny Boost Pack」。

YM Back Packなどのウエストベルトに取り付け、手元の収納を少しだけ増やすための拡張ポーチとして作ったものです。

YM Fanny Boost Pack 着用イメージ
YM Fanny Boost Pack。現在のFanny Packへ続く最初の形。

バックパックを背負って歩いていると、スマートフォンや行動食、グローブなど、バックパックを下ろすほどではないけれど、すぐに取り出したい物があります。

また、このモデルにはもう一つ個人的な出発点がありました。

腰骨付近のポーチは便利ですが、身体の硬さによっては意外と手が届きにくい。設計者自身もその一人でした。

だからFanny Boost Packでは、容量を増やすこと以上に「身体の近くに、無理なく手を伸ばせる収納をつくること」を優先しました。

サイズは約W20.5cm × H10.5cm × D4.5cm。容量は約1.2L。

身体の横に付けた時に邪魔になりにくいよう、厚みもできるだけ抑えています。

最初にあったのは、

「どれだけ入るか」ではなく、
「どこまで小さくしても、必要な物を持てるか」。

使っているうちに、役割が変わった。

Fanny Boost Packを使い続ける中で、少し違った使い方が見えてきました。

バックパックへ取り付けるだけではなく、そのままウエストバッグとして使う。ショルダーベルトを付け、街でも使う。

「バックパックの追加収納」だった物が、一つの小さなバッグとして使われ始めました。

YM Fanny Pak 着用イメージ
Fanny Boost Packから、単体で使うバッグへ。YM Fanny Pak。

そこで生まれたのが、2024年のYM Fanny Pakです。

横幅20.5cmという基本的なサイズ感は大きく変えず、マチを約6.5cmへ拡張。容量は約1.5Lへ。

さらにリアポケットやコードフックなどを追加し、「バックパックの一部」だった道具を、一つのバッグとして独立させました。

YM Fanny Pak フロントにUltra Stretchを使用したモデル
2024年のYM Fanny Pak。フロント全面にUltra Stretchを使用。

なぜ、もっと大きくしなかったのか。

1.5Lという容量は、決して大きくありません。

バッグは大きくすれば便利になります。

2L、3Lと容量を増やせば、ボトルも大きな財布もモバイルバッテリーも入れやすくなる。

ただ、それを続けていくと、最初にこのバッグを作った理由から少しずつ離れていきます。

Fanny Packに入れる物は、
「持っていける物」ではなく、
「今、手元に置いておきたい物」。

バックパックほど持たない。
ポケットだけでは少し足りない。

その間にある容量として、MOUNTDOORでは約1.5Lという大きさを残しています。

「あと少し入れば便利」を全部受け入れていけば、バッグは少しずつ大きくなります。

でもYM Fanny Packでは、その便利さをすべて取り込むのではなく、必要最低限を持つための小ささも機能の一つだと考えています。

2026年。ストレッチする面から、ストレッチするポケットへ。

2026年モデルでは、フロントのつくりを見直しました。

これまでフロント全面に配置していたUltra Stretch™を、ファスナー付きのストレッチポケットへ変更しています。

YM Fanny Pack Ultra Stretch ファスナーポケット
2026年モデルのフロント。マチを設けず、Ultra Stretchの伸縮で必要な時だけ容量をつくる。

ただし、このポケットに大きなマチは付けていません。

フロント側まで立体的な収納にすれば、容量は増やせます。

その一方で、中身が少ない時でもバッグは前へ張り出します。

Ultra Stretch™なら、何も入れていない時はフラット。物を入れた時だけ生地が追従します。

必要な時だけ少し広がり、使わない時には存在感を小さくする。

この考え方は、Fanny Boost Packから続いています。

リアポケットは「大容量」のためではない。

背面には、本体と同素材のシンプルなポケットを配置しました。

YM Fanny Pack リアポケット
背面のシンプルなポケット。スマートフォンや行動食など、頻繁に出し入れする物のために。

これも収納量を増やすためのポケットというより、「出し入れの動作を減らす」ための場所です。

スマートフォンや行動食など、何度も使う物のためにメインファスナーを毎回開ける必要はありません。

容量を増やすのではなく、同じ容量の中で使い方を分ける。

2026年モデルで付け加えた機能の多くは、そういう方向のものです。

内側のコードフックも、小さな機能。

メイン収納の内側には、平テープとフックを一つだけ配置しています。

YM Fanny Pack 内側コードフック
内側のコードフック。鍵や財布などをつなぎ、取り出す時の飛び出しを抑える。

バッグの中を細かく仕切るオーガナイザーではありません。

鍵や財布など、落としたくない物をつないでおくための最低限の仕組みです。

Ultra200XとUltra Stretch™を使う理由。

本体にはUltra200X、フロントにはUltra Stretch™、ファスナーにはYKK AquaGuardを使用しています。

軽量な素材を使うこと自体が目的ではありません。

身体の近くで使い、山でも日常でも持ち歩くバッグとして、重量、強度、耐候性をどこでバランスさせるか。

その結果として選んでいる素材です。

Ultra Stretch 生地の撥水イメージ
これまでのバッグでも使用してきたUltra Stretch™。

なお、Ultra200XとAquaGuardを使用していますが、製品は完全防水ではありません。

縫い目やファスナー端などから浸水する可能性があるため、濡らしたくない物は防水袋などとの併用をおすすめしています。

軽ければ軽いほどいい、とは考えなかった。

2026年モデルの本体重量は、ショルダーテープを含めて約85g。

過去モデルから見れば、機能を加えた分だけ重量は増えています。

リアポケット。
フロントポケットのファスナー。
内側のコードフック。

これらをすべて削れば、数字としてはさらに軽くできます。

ただ、今回のアップデートで優先したのは「最軽量」になることではありません。

使ってきた中で、「これはあった方が使いやすい」と感じた機能を、必要な分だけ戻しています。

全部を付けるのではない。
全部を削るのでもない。

その間を探すことも、MOUNTDOORのものづくりの一つです。

山のバッグなのか、日常のバッグなのか。

YM Fanny Pack 2026年モデル 着用イメージ

YM Fanny Packは、登山専用には作っていません。

かといって、街だけで使うバッグでもありません。

朝、財布とスマートフォンを入れて出かける。
そのまま低山を歩く。
旅行先で貴重品だけを持って歩く。
バックパックを背負う日は、すぐ使う物を身体の前側へ持ってくる。

使う場所が変わるたびに道具を取り替えるのではなく、一つの物をそのまま持っていく。

MOUNTDOORが考える「山と日常の間」は、そういう使い方にもあります。

Fanny Boost Packから、Fanny Packへ。

モデル 役割 容量 設計の変化
Fanny Boost Pack バックパックの拡張収納 約1.2L 薄さとアクセス性を優先
Fanny Pak 単体のウエスト/ショルダーバッグ 約1.5L〜 マチを広げ、単体使用へ
Fanny Pack 2026 山と日常を行き来する小型バッグ 約1.5L ポケットを再設計し、使い勝手を追加

まとめ|小さいことも、一つの機能。

Fanny Boost PackからFanny Pakへ。

そして2026年、YM Fanny Packへ。

形も、使い方も、少しずつ変わってきました。

ただ、最初から変わっていないことがあります。

必要な物を、必要な分だけ持つこと。
身体の動きを邪魔しないこと。
そして、山だけの道具にしないこと。

約1.5L。
W20.5cm × H11cm × D6.5cm。

数字だけを見れば、小さなファニーパックです。

でも、このサイズになった理由は「小さいバッグを作りたかったから」ではありません。

バックパックの脇役として始まった小さなポーチを実際に使い、役割を変えながら、必要な機能を足したり、残したり、削ったりしてきた。

その積み重ねの先にある、現在の形がYM Fanny Packです。

YM FANNY PACK

2026 YM Fanny Pack

約W20.5cm × H11cm × D6.5cm
容量:約1.5L
重量:約85g
Body:Ultra200X
Front Pocket:Ultra Stretch™
Zipper:YKK AquaGuard

予約オーダー:2026年9月25日 PM9 ~ 10月5日 PM10頃まで予定
発送予定:2026年11月上旬〜中旬


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